新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

「文徒」読者の方ヘ

単行本『その後のリストラなう』の主題は、〝隠退後の生きづらさ〟ということです。それを、メルマガ「文徒」と月刊誌「出版人・広告人」の読者の方に向けて書きました。

ブログ休眠していた間、何をしていたか

いちおう、ブログをサボっていた間の不義理を、わざわざ読みに来てくれている読者に詫びておこう。ごめんなさい、でした。 でもこの先もブログを書くかはわからないので、また不義理するかもしれない。あらかじめ謝っときましょう。ごめんなさい。 (これは…

書籍の刊行に懐疑的な僕と、出版社社長との対話

なかなか筆が進まないのだが、もう腹くくって書いてしまおう。 僕は、自分の書いたものを書籍にして刊行することにかなり懐疑的だった。 商業的に成功するかどうか怪しい、という点もある。それ以上に、これを世に問う意義はあるのか、という点が怪しいので…

本を出す、ということには今でもためらいがある

僕は会社員時代、本を作る、あるいは本を売る、という仕事をしていた。会社を辞める際にはブログを本にして出してもらう、という幸運にも恵まれた。 だけど、その間ずっと、本を出すということへのためらいがあった。諸手を挙げて大賛成、自らすすんでプロモ…

版元「株式会社出版人」とその稀有な人について書いておく

新刊『その後のリストラなう!』の発売が近づいている。 もっと精力的にブログを書かねばならないのだが、どうも筆が重い。体調が悪いといったことよりも、何かじとーっとした鬱状態のような、気が沈みがちだ。尤も、この時期は日照時間が短くて僕は鬱になり…

1月20日発売の新刊『その後のリストラなう』の目次です。あと諸々の思うことなど。

前回からだいぶ間が開いてしまいました。年末に旅行行って風邪引いて臥せってるうちに年が明け、なんてことしてたら早くも松の内が終了間際です。発売まであまり日がないので、せっせと宣伝を再開します。 * * *今日は目次を見ていただきましょう。 その…

本『その後のリストラなう』が出ることが明らかになってしまいました。宣伝します

今朝、版元さんのニューズレター(会員制)で、書籍『その後のリストラなう』のAmazon予約が始まったことが告知されていて、おお、とわかったのでした。本書は、会員制で頒布されている業界誌『出版人・広告人』に4年ほど前から連載したコラム「たぬきちの…

砂糖も、ニトログリセリンも、C4も甘い。感想文『炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす』佐藤健太郎・新潮選書・2013

なんとなくやっている糖質(炭水化物)制限ダイエットと関係あるような、ないような、まあどうでもよいが、非常に面白い本だった。歴史+人類学+化学の軸で書かれた、非常にちゃんとした“唯物史観”の本。 * * * ところでマルクスのことを“唯物史観”とい…

為末大がアウシュビッツ訪ねて「自由って難しい」と言っていて、なかなか納得。

為末大のことは知らない。元アスリートで今は何? ブロガー兼実業家かしら。僕は運動には興味がない。 だが彼のブログは面白いようだ。BLOGOSに転載されて知ったのだが、アウシュビッツを訪れて感じたことを書いておられた。 自由の難しさ(第九回メルマガよ…

兵頭二十八『無人機とロボット兵器』と史的唯物論

たとえば、 「最前線で戦う将兵や装備の数に比して、後方で支援する将兵や装備の質と量がとことん分厚いのが、米軍という組織の伝統的な強みだった。」 とか、 「近代以前の農耕文明圏の軍隊では、武将が馬1頭に乗るためには、複数の馬と複数の馬丁が最低で…

「たぬき教」とは何か。たぬきちを名乗りながら僕は知らなかった

庭先や玄関先に信楽焼のたぬきを置いている家を、ときどき見る。 文京区音羽の鳩山会館の庭には、巨大な、2mはありそうなたぬき像が屹立していた。歴史を重ねた趣ある洋館とたぬき。ものすごいミスマッチだった。支援者からもらったものは捨てられない、政…

日本の「軍」文化は滅びてしまった。1945以前のドラマはすべて時代劇になった

以前、とある意見広告系の展示会で、説明パネルに「終戦工作に動いた海軍少尉・高木惣吉」という文言を目にした。 もちろん少尉が終戦工作になど関与できるわけないので「少将」の間違いである。 * * * 日本には軍隊がないことになっているので、一般人は…

ゲゲゲ一周忌でしたね。ついでにいろんな方を追悼

昨日11月30日は水木しげる先生の一周忌であった。 僕は「妖怪忌」と呼んでいる。おばけは死なない、はずであったが。 本年1月末日に青山斎場で行われた水木先生お別れの会には、僕も歩いて行った。 会葬者?には先生の言葉が書かれた葉書をお土産にくださっ…

ダークツーリズム、記憶の風化に抗う旅と、被差別部落のフィールドワーク

前に、こういう本を読んだ。 僕はチェルノブイリには行きたくない(寒いの嫌い)けど、福島第一には行ってみたい。周辺の海で泳いでみたい。もしかして、漁業権が設定されていないのではないか、とすると、スピアフィッシングだってやり放題なのではないか?…

「反戦イデオロギーがないから良い映画」ということについて

「この世界の片隅に」についてもっと読みたくて、2ちゃんねるを漁っていたらこういうポストがあった。誰かのFacebookを引用したものらしい。 (FBより転載) 今回、『この世界の片隅に』をめぐっていちばん愕然とさせられたのは、この映画に「反戦じゃない…

ちょい古だけど重要作「裏切りのサーカス(ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ)」について

『裏切りのサーカス』(原題: Tinker Tailor Soldier Spy)、2011の英国映画(ワーキングタイトル。仏独も製作に参加してるらしいが)。監督 トーマス・アルフレッドソン(「ぼくのエリ 200歳の少女」未見)、原作 ジョン・ル・カレ(「寒い国から帰ってきた…

「この世界の片隅に」は大傑作戦争映画だ。戦争映画マニア必見。

(画像は公式サイトのTwitter応援キャンペーンより借用)「この世界の片隅で」、平日昼間の二子玉川ライズで見たのだが、ものすごい作品で、打ちのめされてしまって、立ち上がるのが大変だった。 これ見てよかった〜〜〜!!! と思ったよ久しぶりに。 * *…

ヒマネタ妄想シリーズ。好きな人をクルマに喩えると

好きな異性(人によっては同性でもいいが)のタイプって、好きな車のタイプとどっか似てくるのではないでしょうか。なんてことを思い。今乗ってる車と、付き合ってる人が似たタイプになるというわけではないけれど。 (ベンツに乗ってるから付き合う彼女もベ…

今年ももうすぐ「アイランダー」だ。サンシャインに行かねば

毎年、池袋サンシャインのイベント催事場で開かれているアイランダーフェスティバル。 今年は11月26日(土)と27日(日)だ。アイランダー2016ホームページ毎年、同じ日程で1フロア上では「全国物産展」がやってて、こちらは美味やスイーツがてんこ盛り…

ヒマネタ。私の「映画女優ベスト100」

僕はもの知らずで教養課程をちゃんと踏んでいないので100人の女優を集める自身がまったくないのだが、どこまでできるか。 (このエントリは、以前、尊敬するブロガーteruさんが「私の映画ベスト100」などなどをやっておられたので、こっちは「映画女優ベスト…

最近のピーター・バラカンは同じ曲を何度も掛ける

土曜朝。先週の旅行から帰ってきたバラカンの番組を聴いているのだが、今日はスモーキー・ロビンソンの特集なのだそうだ。この分だとコーエンとかラッセルとかの追悼リクエストは掛からないな。NHK FM「ウィークエンド・サンシャイン」今月のプレイリスト *…

歯に衣着せぬ藻谷浩介『観光立国の正体』、面白かった

『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く」の藻谷浩介の最新刊、面白かった。 ただし本書は藻谷がホスト、共著者がゲストの本で、ゲストはツェルマットで観光のカリスマと呼ばれたらしい山田桂一郎という人。 * * * 目次を列挙すると、1 観光立国のある…

スピルバーグの魔術に騙されてはいけない、とよくわかる「戦火の馬」

先日やっとDVDを見た。スピルバーグの泣かせる戦争映画。 鑑賞中ずっと違和感が付き纏ったのだが、ネットでいろいろ感想を読んでも解消されなかったところ、Amazonの★1つレビューを読んで納得。 このリンク先のレビューで「★1つ」には3つの投稿があるが、…

クソみたいな物語を面白く見せられる時代──感想『「おもしろい」映画と「つまらない」映画の見分け方』

部屋を整理してて出てきたので再読。キネ旬総研エンタメ叢書 「おもしろい」映画と「つまらない」映画の見分け方大変危険な本! 映画を「ストーリー(骨格)」と「テリング(盛り込まれたもの)」に分けて分析する、よくある本だけど、本書の危険さは他に類…

パリのテロから1年後、トランプ登場なんだね

「トランプの勝利で、アメリカのレイシストだけでなく、日本のレイシストも浮かれてる。言っとくけど、トランプ支持のアメリカの白人からすれば、日本人は有色人種。差別される側だよ。」 映画作家・想田和弘監督のFacebook投稿である。僕はもともとは想田の…

レオン・ラッセル、レナード・コーエンの後を追って(?)訃報

レオン・ラッセルも死んだそうな。11月13日(日)にナッシュビルで亡くなったと。享年74。若い!彼については音楽・恋愛・バイク・クルマ小説家の山川健一が短編を書いていた。 (以下大意)レオンが身体の自由が利かなくなった頃に来日して、九段会館でひと…

中島義道に怒られてみたかった

中島義道。大人気の哲学者である。彼の本を、時々僕も読んでいる。 これとか。 この人は、本当に言行一致の人らしい。電車の中で化粧している少女に向かって「車内での化粧はやめなさい!」と大声をかけ、少女を追い詰める。 やれやれである。 だがまあ、た…

ソー・ロング、L.コーエン。

レナード・コーエンが11月7日に亡くなっていた、とのこと。 もう年寄りだからいつかはこの日が来ると思っていたが、うーん、ついに来たか、と思う。 僕は19歳(あれ?20歳かな)で彼のレコードを聴いて魅了され、ずーっと聴いてきた。 1984。聴いたのは日本…

映画「リスボンに誘われて」と原作『リスボンへの夜行列車』

2012の映画「リスボンに誘われて」原作、やっと読了。 映画との相違点がものすごくある。そして、総じてそれは映画の方が納得できる出来。《ネタバレにつき注意》 話の発端、主人公ライムント・グレゴリウスはベルンの橋から飛び降りようとする女性を止める…

2014秋に見た映画のメモ。「超高速!参勤交代」「続300」「ロボコップ」「ゴジラ」

☆「超高速!参勤交代」 英語タイトルは「サムライハッスル」、これじゃなんだかわかんないね。 松竹作品で、東映東宝大映などの伝統とまったく関係ない感じのニューウェーブ民主的時代劇だが、案外と面白かった。 佐々木蔵之介の貧乏大名はなかなか頑張って…