公園・毒餌事件に思う
いずれ読めなくなるから記事を引用しておく。
大阪府警は3日、大阪市生野区鶴橋1丁目の公園に放置された餌を食べて死んだ犬の嘔吐(おうと)物から、車の不凍液などに使う有害な化学物質「エチレングリコール」を検出したと発表した。府警は、何者かが置いたとみて動物愛護法違反容疑で捜査している。
生活環境課によると、死んだのは4歳の秋田犬のオスで体重約30キロ。5月13日夜、飼い主の夫婦と散歩中に、北鶴ふれあい公園内のしげみに犬が頭を突っ込み、容器内の液体に浸されたドッグフード様のものを食べた後、衰弱し、翌14日未明から嘔吐し始め、21日に腎不全で死んだという。
飼い主からの通報を受け、府警が嘔吐物とドッグフード様のものを鑑定したところ、ともにエチレングリコールが検出された。この公園内では容器を撤去した後、先月25日にも液体に浸されたドッグフード様のものが見つかったという。現時点では他の被害は確認されていないという。
この事件、少し疑問がある。
体重30キロの秋田犬が、茂みにあった不審な食べ物を食べるのを飼い主は止めなかったのか。もしかすると、止められなかったのか(制御できなかった?)、止められない情況だったのか(リードを放していた?)。
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日本の飼い主はほとんどが犬をコントロールできないので、知らずに周囲にすごいストレスを与えていることがある。
事件のあった公園のことは知らないが、おそらく、多数の犬の散歩者が集まる、良い公園だったのだろう。犬の飼い主たちが親睦を深め、犬同士が楽しそうに交流する。夕方とかさぞ賑やかだったろう。
これは周囲の住民や、犬を飼ってない公園利用者にはすごいストレスになる。犬は尿で公園の敷石や柱、花壇やベンチを汚染し、小型犬は好き勝手に吠える。放し飼いの飼い主もいるのでトラブルになる。
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この秋田犬を殺した後も毒餌が置かれていたというから、犯行は確信的であろう。恨みがあり、理由があるのだ。愉快犯の可能性もあるが、それとて背景がまったくないわけではない。
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死んだ犬がかわいそうだ。毒を拾い食いして、1週間も腎不全で苦しんだとは。
腎不全は地獄の苦しみなのだ。僕は以前、体重6キロの猫、3キロの猫を看取った。異常が発覚して、途中入院させて点滴や透析をやったが、やはり1週間ほどで逝った。すごく苦しむので看取っていて疲れた。西欧の基準だと安楽死させるべきだろうが、ようせなんだ。痙攣が始まって半日、あるいは一昼夜生きた。壮絶だった。
30キロの犬だとストレスはいかほどか。別れは辛かっただろう。
犬のトラブルは犬に責任はない。すべては飼い主にあると思う。飼い主とその他の人との心理的トラブルが延焼し、犬が犠牲になるのだ。