新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

書籍とか

『自動車エンジン技術がわかる本』はすごい

クルマにとって逆風ばかりの年でした。ビッグ3の過半が潰れ、新車開発は凍結され、売れるのはつまらんHVや減税対象ばかり。新車が出ないんじゃ自動車評論もつまらんよね、と思ってたら、そんなことなかった。激熱い1冊がありました。表題の本は元マツダの…

遅まきながら良い本を読んだ『ジェノサイドの丘』(上・下)

柳下毅一郎は大好きな翻訳家だ。その彼が、だいぶ前に訳して出した本を今更読んだ。八重洲ブックセンターの4階(人文社会売り場)で「いまアフリカを知る」みたいな平台があったのでつい買ってしまったのだ。いやー、良かった。 フィッリップ・ゴーレイヴィ…

若者の車離れ、若者の書籍・雑誌離れ?

「twitterの面白いやりとりを抜粋したブログがありましたよ」と聞いて、探してみた。なんと、名にしおうディスカヴァー21社の社長ブログだった。→ディスカヴァー社長室blog: プレステのせいではない、若者のクルマ離れの理由は? 〜Twitterで話されているた…

天才の悲痛な叫び——外山恒一さんの苦しみ

2007年の都知事選に出馬して、驚天動地の政見放送で大ブームを巻き起こした「革命家」「ファシスト」の外山恒一。その彼が、自分のブログで悲痛な叫びをあげている。 ふざけやがってふざけやがってふざけやがってコノヤロー|我々少数派 そうだったのか! 彼…

パオロ・マッツァリーノ、お前は面白いよ!

来週は夏休みを取るので会社に行きません。来週に続く大型連休と併せると12日くらい休めてしまいます。こりゃ世間の皆様に申し訳ないねー、ごめん、と言いながら旅行に行ってきます。 行き先はここです。 いえ、亀に行くのではありません。亀がいるような場…

香山リカ『しがみつかない生き方』——勝間和代批判はあまりなかったんだよ

売れてる、しかも若い女性が読んでるらしい、と聞いて幻冬舎新書『しがみつかない生き方』(香山リカ)を買ってみた。すぐ読めた。正直、もうちょっと書き込んでもいいんじゃないかと思う薄い質感だったが、本文にも「とにかくわかりやすくて売れる本、とい…

すぐ近所が舞台の小説が出た!『さらば雑司ヶ谷』(樋口毅宏・新潮社)

町山智浩のブログで宣伝してたの見て、買ってしまった。なんといっても本書の舞台は雑司が谷。つまり僕が住んでるこの界隈だ。ああ、バラしてしまった。そう、僕は雑司が谷にもう15年くらい住んでいる。 なんでも、元「ブブカ」とかの編集をやってた方で、本…

勝間和代とシンクロする!——勝間和代の人生戦略手帳

夏前に、都内の大きい書店で開かれた勝間和代のイベントに行ったんだよ。無料だったし。そこで彼女が作った手帳の予約をやっていた。二百人近い客がいたのに誰も予約してなかったので、天邪鬼が首をもたげてついつい衝動的に予約してしまった。 それが先月下…

やっぱりハイブリッド車はやばい!——漫画家・田中圭一さんの証言

遅ればせながら「サイゾー」9月号を読んでいたら、田中圭一の連載マンガ「教えてっ真夢子おね〜さん」がたいへん興味深かった。今月はなんと「実録!ハイブリッドカーのトラブルで大損しちゃった!?」の巻なのだ。 本論に進む前に田中圭一先生のことをご紹介…

どうすればこの戦争を終わらせられる?——『冬の兵士』

本好き、映画好きの若い衆と飲み会をして、「生涯ベスト3映画って?」と聞かれて考え込んでしまった。というのも、最近めっきり衰えた脳から出てくるのは戦争映画の記憶ばかりだからだ。困ったことに一般的なシチュエーションの映画がひとつも思い出せない…

毛髪鑑定——毛髪でのドラッグ検査が意外に難しいこと

またしてものりピーにインスパイアされたドラッグねたです。 逃亡中の酒井法子さんはミネラルウォーターをたくさん買って飲んでいたとのことです。体内・血中の覚醒剤をおしっこにして排出して、出頭したときの尿検査で出ないようにしたと。その目論見は見事…

♪どうしてクスリをやるのかな?_について考える本など

のりピー、出頭して逮捕されて「なんで家にあったかわからないけどあったとしたら私のです」なんて自供して、逃げ回って身体からクスリ抜いた成果で尿検査は陰性だったけど、クスリ使ってました宣言にて一件落着、な雰囲気ですね。 さて、酒井法子さんは「あ…

戦争映画のアンチョコ本があったよ。面白いよ

久しぶりです。暑いし、腰が痛くて炬燵でPCに向かうのがイヤだし、だらけてしまって7月はまったく更新しませんでした。ダメですね。ちょっと心を入れ替えます。 まあ本はぼちぼち読んでおりまして、ときおり面白い本と遭遇できてます。 これは最近読んだな…

別冊映画秘宝『切株映画の逆襲』が微妙な件について

会社帰りの書店で買ったんだよ。 買ってすぐ、歩きながら読みたくなる本って珍しい。歩道を北上し、寺院の境内に入り、墓地を横断しながら読みふけった。…しかし、なんかピンと来ないぞ!? 切株映画というのはそのものズバリの残虐シーン、殺害シーン、生首シ…

大好きな絲山秋子

僕は小説が苦手で、自分から読むことはほとんどない。人から勧められたらなおイヤだ。本貸してくれる人も多いけど、まず絶対に読了して返したりしない。まあこれはノンフィクションの本でもそうだけど。人から借りた本ってなかなか興味持てないですよね。 絲…

「新自由主義」と書く人はもしかしてダメなんじゃないだろうか

前回書いた本についてもうちょっと書こうかと。この本なんだけど。 基本、僕は吉田司が好きだ。斎藤貴男はあまり好きじゃないけど、彼のこれまでの本は好きだった。『カルト資本主義』や『機会不平等』ですね。しかし、この本『石原慎太郎よ、退場せよ!』を…

ガンダム『一年戦争全史』(上・下)のせいで大変なことになった

きっかけは、久々に営業で外を廻っている途中、書店に立ち寄ったことだった。最近、文体が読みにくい、かつ分厚い本を読んでいたので、気分転換に新書を買ったのだった。 ちなみに読みにくい本ってのはこれ→ 吉田司はすごく好きな人なので(でも彼の本を全部…

今って194何年だと思う?

会社が傾きかけている。売り上げは急角度で下がり、タイタニックの甲板のようだ(勾配がきつい)。首脳陣はお気楽に笑っているが、現場は青ざめて右往左往している。かつて会社で歴史好きの先輩と、会社について語り合うと、「今って昭和にたとえるといつぐ…

ラティーノが生き生きとした小説とか

前にブラジルの貧民窟を舞台にした映画「シティ・オブ・ゴッド」について触れた。延々と凄惨な殺し合いが描かれる映画なんだけど、奇妙なことに生命感や躍動感にあふれていて、きらきらと輝きながら破滅していく美しさに満ちていた。それは同じようなシチュ…

「漫画貧乏」の佐藤秀峰webなんだけど

■「ブラックジャックによろしく」などの佐藤秀峰が自分のwebで書いている日記がすごい話題になってますね。 「ブラックジャック」漫画家の「貧乏」月収なんと70万円しかない? - ライブドアニュース 具体的なwebページはURLでは個別のコンテンツにたどりつけ…

36歳、フリーのコンサル。希望は、革命? ——城繁幸の新刊

■桜の花が咲いている。買ったパンを川っぷちで食べ、桜を眺め、ついでに書店で本を買った。 これは本当に刺激的な本だった。読んでて胃の辺りが苦しくなった。 僕は40台になっており、著者から見ると完全に「既得権」側だ。僕のような正社員の給与を下げて労…

もう一つの神戸みやげを忘れていたんだよ

先週神戸に行ったあと、いろいろ働きすぎてひいた風邪もやっと一段落して紹興酒など呑んでいたんだよ。 そして、神戸みやげはいかなごだけではなかったことを今頃思い出したんだよ。 これはたった360円で売っている60ページのブックレットだけど、なかなか濃…

貧困に関する本、素通りできないんだよ

風邪で寝ているので、本を読むのだ。これでは良くならないのだが。 いやー、これは面白かった。著者は写真を撮りながら世界を放浪する方で、世界各地のスラムや路上生活者とともに寝起きして、そして知ったことを順序立てて教えてくれる。「貧困ってなんだろ…

風邪ひいて仕事休んだんだよ

飲み過ぎと働き過ぎがたたって風邪ひいたんだよ。昨日が最悪で、今朝はまあ働けないことはないけど、そこまでする義理もないので仕事休んで養生したんだよ。 歩いて医者に行ったんだけど、月に2回の不燃ゴミの日だったのだよ。道ばたに、ティファールの重ね…

下層階級文化の研究ってある?

4、5年前に三浦展『下流社会』という本がベストセラーになった。売れた数はたいしたことないと思ったけど、あの本が当時の論壇に投げかけた衝撃はすごかったと思う。当時、月刊誌も週刊誌も連日「下流」を見出しにしていた。 いま読むと、パルコ出版の優秀…

『臨死!江古田ちゃん』に涙する

仕事場で女性の同僚から講談社のコミックス『臨死!江古田ちゃん』を借りた。派遣OLが主人公の連作4コマ。これがたいへん自分にヒットしたのでメモしておく。仕事で疲れているんだな俺、という自分を実感させてくれたのだった。 この作品は3年前から単行本…

赤木智弘はもっと面白かった! そして探偵ファイルはやはりバカ?

風邪を引いてしまった。会社を早退けして寝たりしていたのだがなかなか良くならない。しかしふだん読まないくだらない本を読んだりして意外に充実したごろりごろりなのだった。 で、先日、城繁幸についての雑感を書いたら、1年も前にすでに赤木智弘が僕と同…

城繁幸ががぜん面白い

TBSラジオ「アクセス」のニュースランキングを聞いていたら、「昨年1年間に労働者が働いた時間、初めて1800時間を下回る。景気悪化で残業減る(政府調査)」とのこと。 自分自身のこと考えたら、月間20日働くとして1日7時間=140時間。そこに時間外が…

貧乏、貧困とは何か。直視すべき時が来つつあるよーな

相変わらず思い出すのは「年越し派遣村」のことなのだが、実はその頃僕は遊びほうけていたので実際のニュースとか見てなくて、年が明けて一段落してからwebやブログで読んで知ったことが多いのだが、それにしても与党の政治家さんは当事者意識がまったくなく…

年を取るということは

こないだから僕のとこだけブームが到来している野口武彦なのだが、悲しいことに天誅と新選組―幕末バトル・ロワイヤル (新潮新書)はもう読み終わってしまった。しかたがないので以前の著作、大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)を読んでいる。『大江戸曲者列…