オバマ新大統領はこれから先、どんなふうな顔になるのだろうか?
- 作者: 越智道雄,町山智浩
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/01/16
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同書では全6章のうち5章と終章がオバマ新大統領について集中的に触れられています。逆に言うと、がんばって就任式に間に合わせた本なのに、オバマについては60ページしか述べてない。私は、この姿勢は誠実で良いと思いました。海のものとも山のものともわからない新人政治家・オバマについて、彼自身についてのことをいくら語っても、なぜ彼が選ばれたかはわからない。そうじゃなくて、今のアメリカ人とはどんな人たちで、どんなことに苦しんでいて、どう考えて彼に投票したか、が重要なんです。
面白かったのは、「オバマは黒人としても異端。黒人社会の符牒やギャグがわからない人」という話。父はケニヤ人で、いわゆるアフリカ系アメリカ人ではなく、アメリカ社会における黒人文化とはまったく関わりがないそうな。それが逆に、オバマに面と向かっても黒人を意識させなくてすむ、あるいは、奴隷時代の復讐をされる心配がないので白人も安心、といった効果を持つのだとか。
…アメリカの傷は相当深いんですね…。
さて。「誰にも似てない」と評判のオバマ新大統領。これから彼は最大で8年、アメリカの舵取りをするわけですが、いまはまだ48歳(でしたよね?)と若い彼。これから世界最大の権力者として苦労していく過程で、どんな顔になっていくんでしょうか。というか、こんなふうにはなってほしいな、という個人的な要望をメモしておこうかな。
並べてみたのは、私の好きな俳優(一部除く)です。こうして見ると、オバマさんの写真は続く3人と比べても全然威厳や重々しさがないですね。さすが40代。新人。
モーガン・フリーマン。この人、大統領の役を何度もやってますね。『オバマ・ショック』の中の記述では、この人も黒人らしくない黒人だそうです。昔奴隷やってた感じがしない、ってことですかね。めちゃくちゃ分別臭い役ばかりやってるような気がします。世間では、この人とオバマさんはイメージ重なってるんじゃないかな。でも、オバマさんはこうはならないような気がする。こんな「いい人」ではいられないと思うんですよ、大統領って仕事すると。
サミュエル・L・ジャクソン。たしかもう還暦のはずですが、全然丸くならないイメージです。個人的にはこの人に大統領役やってもらいたい。ていうか、モーガン・フリーマンの役どころと彼を全部とっかえてみたい。「マザファッカ!」を連呼する老刑事にブラピが困ってしまうとか、見てみたいですね。と申しますか、オバマ新大統領がこの人のようなぶっちゃけたカリスマ性を発揮するようなら、すごく面白いと思うのですが。
ラリー・フィッシュバーン。世間ではモーフィアスとして知られる人でしょうが、私の中では「地獄の黙示録」でサティスファクションで踊り狂っていた少年です。事実、ラリー氏は若いです。オバマと同い年ですね。この人の出演作で好きなのは「理由」ですね。
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ウィル・スミス。この人、私嫌いです。最初に見たのは「インディペンデンス・デイ」だったと思いますが、それ以来ずーっと同じ役ばかりやってるような気がします。この人の溢れる自意識はちょっと耐えられない。
ですが、まずくすると新大統領はこんなふうになってしまうのではないだろうか。という危惧が頭を横切り。
それにしてもオバマ氏、こうしてみると誰にも似てないですね。ま、似てなくってもいいんですが。
冷静に考えると、人気が死ぬほど先行してしまった新大統領、今が彼の人気絶頂期ですから、こっから先とても大変です。これだけ上がった人気は、あとは下がるしかないのですから。がんばってほしいです。私たちの凡庸な期待を、裏切り続けてほしい。
それじゃー、また。