新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

沖縄に逃亡していました

 ごぶさただった。先週は逃亡旅行に出て留守をした。すまん。逃げ先は沖縄本島なのだった。ここ数年2月に本島に逃亡しているのだが、今年はことのほか暖かかった。去年は八重岳とかやんばるでは震えた。今年は雨に降られても暖かかった。
 いろいろ楽しかったのだが、2点だけメモしておく。

仲村実・作のやちむんにハマる
 自分へのお土産に、陶器のタンブラーを買った。

 いずれも高さ7センチ余の小さなもの。青い方は読谷村のやちむんの里で買った。はじめて見かけたとき、その青さや感触、風合いに一目惚れした。こういう鮮やかかつ軽々とした、夏の空みたいな青色はあんまり見かけない。描かれているのはソテツかフクギの葉か。不思議な紋様。釉薬の光沢と手触りが、背景のざらざらした青地と対蹠的で、ちょっと長いこと触っていたくなる。
 売り場のおかあさんは「この人の作品はすぐ売れちゃって、なかなか入荷しないんですよ」と言ってた。へえー。

 そして3日後、北中城村に保存されている古民家・中村家に行ったのだが、ここに隣接したおみやげ屋で、同じ作家の作品を大量に発見した。作者は、仲村実、とある。同じ青と同じ紋様もあったのだが、読谷では見かけなかった緑や黄がかったものもある。それぞれ紋様も違う。緑を触ってみて、やはり感触の虜になって買ってしまった。こちらの紋様は月桃らしい。大きさは、茶を入れても、泡盛をロックにしても丁度よい。
 売り場のおかあさんは「この近くの人で、人気なんですよ」と言ってた。なんと!読谷の人ではなかったのだな。
 そして、読谷では1500円で買ったのだが、北中城では1050円なのであった。運賃でしょうか?
 みなさん、仲村実のやちむんを買うときは、北中城村の中村家で買うのが良いですよー。
 タンブラーやマグだけじゃなくて、花器もありました。やちむん市なんかでは真っ先に売り切れそうな花器でした。他にもいろいろ選べます。このおみやげ屋さんは、仲村実作だけじゃなくて、ちょっと意表を突かれる醤油入れとか、ユニークなものがたくさんあります。ネットでもごく一部は買えるようですが、ぜひ一度足を運ばれることをおすすめします。
 中村家おみやげ品店 TEL/FAX 098-935-3500 http://www4.ocn.ne.jp/~knaka/index.html


浜比嘉島の御嶽にグッとくる
 北中城に寄る前日は、東海岸は海中道路の先にある浜比嘉島に泊まった。全然予備知識を持たずに行ったのだが、これがずいぶんとたぬき好みの場所だった。
 まず、低い石積みの塀がまだまだ残る、狭い路地が入り組んだ、キュートな集落。沖縄的な景観として有名なのは竹富島だろうけど、ここも良い。RPGダンジョンのようだ。迷子になりたくなる。

 もちろん、集落の多くはブロック塀でありアルミサッシになっているのだが、時間の止まったような木造家屋が現役で建っている。築120年の大きな古民家が現役だったりする(吉本家=有形文化財)。
 この集落をふらふらしていて思い出したのは、水木しげるの自伝だ。
  
 しげるさぁーが少年期を過ごしたのは山陰・境港で沖縄ではないけど。いかにも悪ガキが飛び出して来そうな路地の曲がり角ではある。
 そしてもう一つ、水木しげる的なものを感じたのは、この集落のあちこちにある霊的なスポットの存在。

 こんもりした森に続く階段があるので覗いてみると、鳥居の向こうに拝所が見える。さらに登ると、拝所の先には鍾乳洞が昏い口を開けているのである。ここには何かいる! しげるさぁーならそう叫んで逃げ出して、またしばらくしてそーっと覗きに来るのではなかろうか。予習してこなかったので全然知らなかったんだけど、浜比嘉島琉球開闢伝説とも深い関係がある(開闢神の墓所や居所がある)、霊的な島だったのでした。いや、僕はそのテの人と違って「パワーを感じる」なんてことはないんですけどね。ただ、人間以外の気配がするような気がして、そういう所は好きなのです。古い田舎にはそういう、大きめの岩があるだけとか、古い切り通しがあるだけとか、石仏があるとか、ちょっと空気が違う場所がよくある。昔の人はそういう所を大事にしたし、子どももそれを感じながら育った。水木しげるは大人になっても都会に出てもそれを忘れなかった人だ。そして沖縄の人はそういう場所を敏感に察知して、ともかく大事にする。どこも現役の拝み場として機能している。
 僕は忘れていたけど、浜比嘉島で否応なく思い出した。
 もちろん、この島にも現代的な悩みはあるわけだけど、今日はそれには触れない。今日はただ、御嶽がいくらあったって腹は一杯にならないけれど、御嶽が一つもなくて腹が一杯なのもつまらないと思うのだ。つまらん観光客の言いぐさだけど、この島にはグッと来たので、また行きたいしたぶん行くと思う。


 そんなことばっかり考えていたわけじゃない旅行でしたが。りうぼうのリブロではこんな本買いました。

 また沖縄については書きます。沖縄で買ったCDについても書きたいですな。