4時間の映画を見た——「愛のむきだし」
アマゾンで買ったDVDが届いてたのだが、あんまりにも長い映画なのですぐに見れてなかった。「愛のむきだし」やっと見た。
なにせ4時間である。しかも戦争映画のように登場人物が多くて起きる事象が多くての4時間ではなく、わずかな主要キャストが二転三転四転する濃い4時間である。たいへん濃い体験をしたような気がする。でも不快じゃないし、長すぎて辛かったとはまったく思わない。まあハンモックに寝転がって見ていたせいもあるが。
あんまり長いので最初のほうで起きたことは忘れた。以下、断片的なつぶやきを書き留めます。
■コリント人への手紙13章の暗誦が中盤最大の山場になってますが、これはすごい。満島ひかりはすごい女優になるなーと思いました。(芸能人原紗央莉と似てるなーと思ったけどクォーターらしいのであながち間違いではなかった)
■パンチラはいずれも美しいです。よく撮っていると思います。現実のパンチラはあんなに美しくないと思う。
■謎の教団幹部コイケ(安藤サクラ)がまたいい。一重まぶたが不気味。ちょっと演技がヤンキー入ってるけど。
■オウム事件というのは本当に凄い出来事だったのだなあ、と今更他人事のようにですが思い至ります。こんなすごい出来事を経験した日本人は、みな脳に深い傷を(ソフトウェア的に)負ったのですね。
■まあこのような話を4時間かけて見せるというのが商業的に適正なことなのかどうかよくわかりませんが、自宅で4時間かけてDVDを鑑賞するというのもけっこう希有な体験でした。もしもこれが週末のテアトル池袋とかでもう終電も出てしまった、朝までこれ見るしかないよ的な知らぬ同士の運命共同体で鑑賞したのであれば、相当濃い体験になったでしょうね。僕はもうそんな濃いイベントに参加できるほど若くないけど。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、知識は廃れよう。わたしたちの知識は一部分、預言も一部分だから。完全なものが来たときには、部分的なものは廃れよう。幼子だったとき、わたしは幼子のように話し、幼子のように思い、幼子のように考えていた。成人した今、幼子のことを棄てた。わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている。だがそのときには、顔と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか知らなくとも、そのときには、はっきり知られていよるようにはっきり知ることになる。それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。
「愛のむきだし」、これもまた優れた映画だと思います。彼女といっしょに見るのには向いてないが、みうらじゅん原作田口トモロヲ監督作品よりはより万人向けかな。