新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

ヒマネタ。私の「映画女優ベスト100」

 僕はもの知らずで教養課程をちゃんと踏んでいないので100人の女優を集める自身がまったくないのだが、どこまでできるか。
(このエントリは、以前、尊敬するブロガーteruさんが「私の映画ベスト100」などなどをやっておられたので、こっちは「映画女優ベスト100」をやってみたのでした)


第1位 シャーリーズ・セロン
 え、これかよ、とおっしゃる向きもあろうが、近年出色の女優は?というと、この人なのではなかろうかやっぱり。ド醜女メイクで観る者をアッと言わせた「モンスター」(2003)が強烈な印象だったけど、その後の「スタンドアップ」(2005)、助演「告発のとき」(2007)、「あの日、欲望の大地で」(2008)いずれも素晴らしかった。もうお色気女優としてのピークは過ぎたのかも知れないが、超美形なのに服をパッパッと脱ぎ捨てる度胸・根性がある。作品選びも丹念で、なかなかハズレの脚本を引かない(「コール」(2002)はハズレだったけど彼女の出演シーンはやはり良い)。そして「マッドマックス 怒りのデスロード」(2015)。あれ、主役はトム・ハーディじゃなくてこの人だよね。ていうかマックスがマッドじゃなくてクレバーだったので、マッド担当はこの人だったような。

第2位 ドリュー・バリモア
 この人は僕のちょうど10歳下。誕生日が同じ。ちなみに僕より10歳上が故スティーブ・ジョブズ。誕生日は数日違うが。どうでもいいか。
 ドリューはもしかすると、女イーストウッドのようになるのではなかろうか。偉大なアクター・ディレクターになるような気がする。今はフェミニンで楽しい、ホロッとする作品を手がけることが多いが、それってイーストウッドが監督を始めた頃ドン・シーゲルセルジオ・レオーネへのオマージュみたいな小粒の作品ばかり撮っていたのを彷彿とさせる。彼は「許されざる者」で全世界の観客をねじ伏せたわけだけど、ドリューもこのまま映画作り続けていればいつか凄いのを撮りそうな気がする。出演作で好きなのは現代的なシンデレラを演った「エバーアフター」か、一人でばんばん脱いでる西部劇「バッドガールズ」か。いやどっちも傑作からはほど遠いですけど、ドリューが可愛く映っているので。1999年の年末にTVKか何かで観た「ノー・プレイス・トゥ・ハイド」(1993)も良かった。18歳でスキニー(痩せっぽち)だが美しさは生涯最高かも。クリス・クリストファーソンやOJシンプソンら共演者もよかった。といってもDVDなど出てないので二度と見られないが。

第3位 原節子
 伝説的な人はなるべく取りあげたくないのだが、やっぱり自分的にはこの人は避けて通れない。1990何年だかに「東京物語」をニュープリント再公開で観たとき、白いブラウスから出た二の腕が物凄く色っぽくて、以来外せない。

第4位 モーガナ・キング
 誰やこれ? と言われる方もあろう。「ゴッドファーザー」(1972)「同PartII」でママ・コルレオーネを演ってた人。どうも俳優ではなく歌手だったらしい。本編の台詞も非常に少ない。だが、「GF」を代表する女優といえば僕的にはタリア・シャイアでもダイアン・キートンでもなくこの人。そうだな、この人の次点がシモネッタ・ステファネッリ(マイケルの最初の嫁アポロニア)か。撮影時17歳とかだよ。ヌードあるよ。今なら怒られるよ。
 ママ・コルレオーネに話を戻すと、この人の安定感と重量感がドラマに比類なきリアリティを与えてたと思います。イタリア多産系・女大黒柱のロールモデルというか、アイコンかもしれない。原節子の小津作品は、結局家庭に入るって話が多かったが、彼女の主婦姿はまったくリアリティがない。結局離婚して帰ってきそうなひと。彼女は独身を貫くOLのはしりではないかと。ママ・コルレオーネはその真反対というか。そして、夫ヴィトや息子ソニーの暴虐(家庭外での、ね)を知りつつ目を瞑る表情とか、素晴らしい。娘コニーに聟カルロがDV働いていたことにも無力だった。そのリアリズムが恐ろしい。彼女の存在感を上回る女優を僕はあまり知らない。
 あ、もしかしてママ・コルレオーネは東山千栄子なのか。

第5位 ジーナ・デイビス
 出演作は少ないが、「ザ・フライ」「テルマ&ルイーズ」「プリティリーグ」といった偉大な作品にその雄姿を刻み込んだ、偉大な女優と思う。スケールも大きいし(身長180)。「カットスロート・アイランド」という超大作・大コケ映画の主演だったため、その後起用されなくなった、んだよね? 残念なことだ。大柄で、優しそうで、かつキュートでイノセントな女を演じられる、稀有な女優だった。この状況を彼女が演じていれば!と思って他の作品を観ることがあります。まあ、流行とは無縁の美人でしたが、ごく一部に熱烈なファンがいることを書きとどめておきます。

第6位 キャロル・クリーブランド
 BBCのテレビシリーズ「モンティ・パイソン」主演女優。コメディエンヌだけど美形かつナイスバディで、胸元を強調した服を着せられ、頭の悪いグラマー美人を嬉々として演じていた。「モンティ・パイソンホーリー・グレイル」ではアンスラックス炭疽菌)城の女城主などを演じているので、映画女優認定します。キャロルがいなかったらパイソンのギャグはどんなことになってたか、想像してみられたし。彼女の役を全部、女装したテリー・ギリアムグレアム・チャップマンに置換してみるのだ。どうです、彼女の偉大さがわかるでしょ。

第7位 ジョディ・フォスター
羊たちの沈黙」(1991)が大好きだったので挙げざるを得ない。映画通の人は「タクシードライバー」(1976)とか挙げるのかな。僕は「告発の行方」はあまり好きじゃない。そして一番好きな作品、かつ彼女のベスト演技は「コンタクト」(1997)じゃないかと思う。しかし、彼女はその後作品に恵まれず、「アンナと王様」「フライトプラン」とかひどい作品に出てしまった。というか、彼女は「作品は自分で吟味する」と言っており、それじゃアレか?おまいはこれらが良いと思って出たのか?と問い詰めたい心境だ。

第8位 ニコール・キッドマン
 一時ハマってた。ベストは「奥様は魔女」(2005)かなァ? ラズベリー賞も見事ゲットしてるし。その前年の「ステップフォード・ワイフ」も良かった。この時期にジョディ・フォスターが激しく迷走してるのを見て、「作品選びはキッドマンの方がうまいじゃん」と思っていた。まあ、ジョディは軽く自分を笑いものにするような役は演じられないんだろうなー、と思う。その点キッドマンは凄い。痛い役、イケてない役、観る者を唖然とさせる役とかを軽々とこなす。キューブリックの遺作「アイズ・ワイド・シャット」(1999)では、観客とトム・クルーズの前でおしっこして局部を紙で拭いてみせた! もっとも、この人も超大作大コケをやらかすたちで、「ライラの冒険」「オーストラリア」と、大失敗作に関与している(後者はオーストラリア歴代興収2位なので一概に失敗とは言えないかもしれないが……投資家にとっては危険な投資先だったろう)。
 なんかこう書いてると僕内には大した印象がなかったのかなァなどと思う。それは彼女の代表作「ムーラン・ルージュ」「めぐりあう時間たち」「ラビット・ホール」などを無視してるからか。でもなあ…僕は、美人女優が美人を演じる映画はあまり好きじゃないのよ。コメディエンヌとしてのキッドマンが好きなんだな、うん。

第9位 スーザン・サランドン
 90年代のこの人は「テルマ&ルイーズ」(1991)「依頼人」(1994)「デッドマン・ウォーキング」(1995)と、男より男らしいおばさんを颯爽と演じて一世を風靡した。もちろん僕はこれらの作品が好きだ。だがサランドンのベストはこんなんじゃなくて、「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)と断言する。「ロッキー…」はそれこそ伝説の作品で、デビッド・ボウイフレディ・マーキュリーを彷彿とさせる世界観のミュージカル、女流漫画家など熱烈ファン多数、すごく賑やかな上映会、などで有名だが、これのヒロインをサランドンが演じていることは誰も言及しない。なぜだ?
 まあ、変な人物ばかりが出てくる映画なのだが、女主人公ジャネットだけは割とまともなのだ。そして、若いサランドンは懸命にそれを演じている。ミュージカルだからもちろん歌うのだけど、鈴を転がす美声とはまさにこのこと。というか、真剣に演じれば演じるほど、周りからどんどん浮いていく。最後は登場人物全員があっちの世界へいっちゃって、踊って大団円、て感じなのだが、サランドン浮きまくり。
 そもそもこの映画の顧客はグラムロック・耽美系大好きな女性であって、彼女らは映画を観るとき自分を女主人公に比定する。つまり、サランドンの個性なんてどうでもいいわけだ。観光地の顔出しみたいなもので、サランドンの姿の顔の部分はぽっかりと穴が空いてて、映画を観ている自分がそこに入る。そしてリフラフだのロッキーだのに取り囲まれる夢想をする……という仕組みの映画なのだ。サランドンは頑張り損で、熱演すればするだけバカみたいに見えるわけ。
 でも、それをやっぱり真剣に演じている彼女が僕は好きだ。そもそも僕はこの映画自体が嫌いなのかもしれないが。
 近年では「告発のとき」で大変厳しい運命に遭う母をすごく巧く演じていた。この人が画面にいると嬉しい。

第10位 ひし見ゆり子
 アンヌ隊員だし、「新仁義なき戦い 組長の首」のヒロインなので。脱ぎっぷりも素晴らしいし。

第11位〜 渚まゆみ梶芽衣子池玲子
 東映仁義なき戦い」シリーズのヒロインたち、いわゆる「仁義ガールズ」ということで。
 自分で書いたこのランキング、よく見ると梶芽衣子とひし見ゆり子の位置が逆じゃないか?とも思うが、ま、ひし見さんは別格ということで(梶芽衣子は脱いでないし)。

以下、順位を付けずに。
沖山秀子 「十九歳の地図」でKOされた。「神々の深き欲望」見なきゃ。
秋吉久美子 「さらば愛しき大地」
東山千栄子 「東京物語」。「Part II」のママ・コルレオーネと同じく作中で死ぬ。
杉村春子 もろもろ。セコいことをする役がいい。
ショーン・ヤング 「ブレード・ランナー」「デューン砂の惑星」。変な性格でトラブルメーカーだったらしいですね。
ダリル・ハンナ 「ブレード・ランナー」よりも自分的には「俺たちの明日(Reckless)」(1984)。といっても知らないでしょうかしら。僕は「ストリート・オブ・ファイア」(1984)の併映で見ました。
アリソン・イーストウッド 「目撃者」「真夜中のサバナ」。他の出演作知らない。もっと見たかった。
ヒラリー・スワンク 「ミリオンダラー・ベイビー」。
タリア・シャイア 「ゴッドファーザー」「ロッキー」。この人、出演作すっごい少ないのね。どのコニーも、どのエイドリアンも好きです。不在なのに存在感のあった「ロッキー・ザ・ファイナル」も好きです。
キム・ベイシンガー 「L.A.コンフィデンシャル」、と思うでしょ。でも僕は「ウェインズ・ワールド2」がベスト。
ジェニファー・ローレンス 最近このひとに夢中。「ウィンターズ・ボーン」(2010)。「あの日、欲望の大地で」はキム・ベイシンガーシャーリーズ・セロンも食っていた。若いからってだけじゃない、輝きを持ったひと。ただ、「ハンガーゲーム」は最悪。
ナンシー・アレン 「殺しのドレス」「ロボコップ」。可愛い! 今見るとちょっと野暮ったいが、そこが良い。
ディナ・メイヤー 「スターシップ・トゥルーパーズ」、彼女がヒロインなのに映画の紹介スチルではデニース・リチャーズばかりが出てくる。
デニース・リチャーズ 「同上」「ワイルド・シングス」「最'狂'絶叫計画」。全然好きじゃないけど、チャーリー・シーンの嫁だったとか、雑な私生活とかいった、荒れ果てたセレブぶりは好き。あと、彼女の顔つきは日本の巻き髪したりするオシャレな女の子のロールモデルですね。前の職場にもこういう美人がいたっけ。こういう容姿がどんなふうに見られるか、という面でも興味深い女優さんです。
坂本スミ子 「楢山節考」。この人も案外出演作が少ないんですね。
倍賞美津子 いろいろあるけど、自分的ベストは「秘祭」(1998)かな。友人からDVD借りて観た。役どころは「楢山節考」とたいして変わらんかった。
大谷直子 「ツィゴイネルワイゼン」。あの蒟蒻のちぎり方は大きすぎると思いますが。

ここまでで30人。あと70人は挙げられないな。今だって、ただ知ってる女優の名前を列挙してるだけだもんな。
難しいんだよね、ロメロ監督作とか全部見てるけど、主演女優の名前なんて覚えてないっしょ? そもそも中学生男子が好むような映画ばかり見てるので、女優さんの魅力が開花してるような質の良い作品とあんまり縁がないんだ僕は。

というわけで、実用的なランキング。
池上季実子 「HOUSE」(1977)。序盤から脱いでるあたり、素晴らしい。あと「太陽を盗んだ男」も良かった。
神保美喜 「HOUSE」。脱いでないけど素晴らしい。当時の女優は脚が太かった。それでも素晴らしい。
みひろ 「SRサイタマノラッパー」はすごく良かった。主演ビデオ群は好きじゃないけど。
菊池桃子 「パンツの穴」(1984)。当時、イスラエル製作の青春エッチコメディ「グローイング・アップ」というシリーズがありまして、そんなのを日本でやろう、って企画が「パンツの穴」だったと思います。菊地はお色気アイドルとして登場したわけです。いま家庭用品のCMタレントとして多露出しているのを見ると、過ぎた時間の長さを感じます。映画はあまり良い出来だったように思いません。
坂井真紀 「実録連合赤軍 あさま山荘への道程」(2008)。この恐ろしい映画の中で彼女の可愛さは貴重でした。たしか脱いでますし。
ダイアン・レイン 「ストリート・オブ・ファイア」(1984)ですっごくかっこよかったし、美人だった。でもそれは化粧のせいなんだとは、当時の僕にはわからなかった。「愛は危険な香り」(1987)で脱いだというので喜んで見に行ったがたいへん残念な作品だった。
エレン・バースティン 「エクソシスト」(1973)のお母さんだが、僕的には「この森で天使はバスを降りた」(1996)のお母さん。三遊亭白鳥の「この寄席で天使はバスを降りた」もとい「天使がバスで降りた寄席」も必聴といえよう。関係ないが。
市川実日子 「シン・ゴジラ」の尾頭ヒロミ、環境相自然環境局野生生物課長補佐しか知りませんが、作中屈指の女子力で作品を支えたと思います。