新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

「中国の反日暴動」についてのネット論評に思う

◆世界の観光地で猛威を振るう中国人たち
 モルディブが好きなので、2ちゃんねるの「海外旅行」板、モルディブスレッドも読んでいる。
 モルディブでもここ数年、中国人ゲストの激増がよく話題になる。
 彼らは初海外の人が多く、ハネムナーが多いので、テンションが高い。リゾートにふさわしくない振る舞いをついやってしまうので、「中国人ゲストは嫌い」「中国人のいないリゾートに行きたい」という日本人客は多い。

(※某リゾートロビーで集合中。東洋系全員が中国人じゃないけど、上半身裸の人は高確率で中華男子)
 僕は、これまでさほど実害に遭っていないのでさして気にならない。中国人ゲストの多くは泳ぎが苦手なので、水遊び系エクスカーション(リゾート主催イベント)に参加していれば中国人集団に悩まされることも少ない。反対に、サンセットクルーズとか、フィッシングは中国人は大好きなので、こういうのは避けてればよい。

 それはさておき、先日2ちゃんねるにこういう投稿があった。

95 :異邦人さん:2012/09/16(日) 21:56:44.77 id:BawQKme50
報告。
今日帰国。
南アリの某リゾートで中国人に絡まれた。
ディナービュッフェでしつこくわざと何度も体ぶつけてくる中国人男にやめろと言ったら物凄い形相で唾とばしながら中国語まくし立ててきた。
その後席に戻って食事してたら他に何人か中国人の仲間連れてきて取り囲んで中国語で罵倒してきた。子連れだったから家族守るのに精一杯だった。スタッフは見て見ぬ振り。
子供も嫁も怖がって以後ずっと食事はインヴィラダイニング、部屋の中で過ごしてほうほうのていで帰ってきた。
スタッフに相談しても全く何もしてくれない!

たぶんモルには二度と行くことはないと思う。
これから行く人は本当に気をつけて下さい。
( http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/oversea/1346707807/95 )

 事実だとしたら、さぞ辛かったことだろう。大きなリゾートでは、中国人ゲストと日本人ゲストでは5:1くらいの比率で向こうが多いし、中国人たちはたいてい団体ツアー客で同国人同士つるんでいる。日本人客は同国人でつるまないので、絶対に多勢に無勢になる。
 本当にこういうシチュエーションに遭遇したとしたら、心から同情を禁じ得ない。

◆「悪質な中国人」デマを見分けろ
 だが僕は、このカキコは、事実ではないと思う。きっとデマなのだ。
 まず、この2ちゃんねるモルディブスレッドは、観光情報・リゾート情報を交換する主旨の掲示板だ。そこで、こういう目に遭った、という書き込みをしていながら、リゾート名を伏せる意図が分からない。
 また、中国人たちにからまれた、というトラブルは不幸だったと思うが、そのときリゾートのスタッフ(レストランのウェイター、マネジャー、セキュリティ)が全員見て見ぬ振りをしていたとしたら、そっちの方が大問題だ。ゲストのトラブルに介入できない、ゲストの安全を保証できないリゾート、ということになるから。
 モルディブ・スレッドでこの情報を書くなら、「リゾートの対応が最悪だった、このリゾートには行かない方が良い」という主旨で書くべきで、リゾート名を伏せていたら、それは情報提供としての価値はまったくない。それこそ、日記はチラシの裏に書いとけレベルの戯れ言だ。

 だから僕は、投稿者がリゾート名を明かさない、また、その後どんなアクションを取ったかを書かない、ただ書き捨てしてるこの書き込みは、「中国人ゲストは悪質」という印象操作を目的とする、デマにすぎないと判断する。

 もし本当にこのようなことがあったなら、リゾート側は必ずお詫びをしてくれる。中国人ゲストから離れたテーブルに変えてくれるし、お詫びのディナーを奢ってくれることもあるし、食事時に毎回セキュリティを配置する、以後無料で全食インヴィラダイニングにしてくれるなど。
 そうした措置を講じてくれなかったとしたら、そのリゾートを手配した代理店(エージェント)にクレームすべきなのだ。リゾート側がきちんと管理しなかったせいで大変不愉快な思いをした、と伝えるのだ。代理店は定期的にリゾートを査察(インスペクション)しており、問題点を洗い出している。貴重な情報を伝えるのはゲストの務めでもある。

 2ちゃんねるは、ウソの情報も多い。出所不明・ソースがあやふやな情報は、それこそ掃いて捨てるほどある。
 昨今の「反日暴動」のようにキャッチーなトピックがあると、注目を集めるためにウソの書き込みをする人も増える。
 そうした“デマ”“デマもどき”に一喜一憂するのは、時間の無駄だ。
 まして、そうした“デマ”に煽られて、怒りを掻き立てるのは、暴徒と同じレベルに自分を堕とすことにほかならない。
 
尖閣問題の戦犯は、石原慎太郎
 尖閣諸島の問題は、これまでと同様、「ステイタス・クオ」にしておくのが、日本の国益にもっともかなっていた。
 ブロゴスに「言わんこっちゃない尖閣問題」という秀逸な記事があった。僕は、この筆者の主張通り、尖閣問題なんかより今は竹島に注力するべきだった、その方がよっぽど国益に資するはずだった、と思う。
 尖閣竹島は似ているようでまったく違う問題だ。また、この二つに同時に取り組むことは、二正面作戦の愚でもある。対中では宥和し、韓国の失策を追及すべきときだった。
 ところが石原慎太郎や、売名したい地方議員など、ヘタレのポピュリストたちが、竹島問題ではなく、自分に危険の及ばない尖閣に対してやいのやいの示威行動をした。まったく内弁慶な人たちだ。本当に愛国者・英雄を気取りたいなら、竹島近海へ出かけろっつーの。
 石原慎太郎は、黙って待っていれば地権者の相続によって物納されていたはずの尖閣を「都が買う」などと言いだし、政治的イシューにしてしまった。東京都が尖閣を所有しても、パフォーマンス以上の効果は期待できない。仕方がないから国が買うよ、と政府が言い出したのは、石原の策謀に乗せられただけだ。
 石原都知事の行動は、つねに国益よりも“僕益”を優先している。
 結果、中国国内で起きた反日暴動も、石原都知事はさぞ満足だろう。「だから支那民度が低いんだ」などと、「支那」嫌いの彼はさぞ北叟笑んでいることだろう。自分の人気が上がれば、人命が危険にさらされ、日本資本(合弁だから半分だけど)が毀損されても、彼はなーんとも思わない。

 人民が他国人民を敵視して、良いことは何もない。
 怒りを以て事態を見てはいけない。怒りは、傷ついた感情のバランスを取るために起きる生理反応に過ぎない。怒りは、判断に資するものではない。
 戦前、「暴戻な支那を膺懲せよ」というマスコミキャンペーンが、大陸派遣軍の不法行為を追認してしまったことを思い出さねばならない。
 帝国陸軍は、国益を追求して対支作戦をとったのではない。軍益(彼らも官僚だから今風に言うと省益)のために、自分たちの勢力を伸張するために戦争を志向したのである。
 政局に右往左往している政治家たちが、尖閣問題に容喙するのも、同様だ。彼らの目的は国益ではない。“僕益”だ。売名し、集票につながることを期待しているだけだ。

◆所有欲と国益を混同してはいけない
 領土問題は、人間の低レベルの欲求の一つである「所有欲」を刺激する。
「持っている」状態が嬉しい、「失われる」と淋しい、悔しい、という、幼児的な感情がある。
 でも、尖閣竹島が日本の領土であることが確定しても、あなた個人にとって得なことはあまり、ないはずだ。
 ちっぽけなプライドが満足させられる、くらいだろう。
 領土問題を考えるとき、そこに低レベルの所有欲が紛れ込んでいないか、厳しく自己検討すべきだと思う。
 ヒトラーは、オーストリア、チェコスロバキアリトアニアなどの土地を奪ってドイツに併合していき、どんどん人気を伸ばしていった。ドイツを強大にしてくれるヒトラーに、ドイツ国民は熱狂した。
 その結果、ドイツ国民は幸せになったろうか?

 僕だって、尖閣竹島を不法に奪われることが、日本の国益にかなうとは思わない。
 だが、中国の暴徒と同レベルの感情に身を委ねることが、僕たちを幸せにするとは全然思わない。
 道理の分からない土民なんて、ウイルスやバクテリアと同じなんだから、腹を立ててもしょうがない。
 彼らが唯一、微生物と違うのは、暴徒たちは、日本人が何らかの反応をするのを見て、反応があったことに喜ぶという点だ。
 僕は、日本の愚かな売名売国政治家や、黴菌レベルの暴徒たちと、同レベルに堕したくない。