新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

1分間で終わらない深イイ話

昨夜、島田紳助が引退する、として本人と吉本興業立会いの記者会見をした。今朝、あちこちの局がその会見をダラダラ流している。とても1分間では終わらない、島田紳助最後の美談。
なぜ突然引退に追い込まれたかは諸説あるのでネットのあちこちを参照されたい。暴力団関係者との親密交際は会見でも言ってたので確定として、宮古島土地取引疑惑説、渡辺二郎上告を潰すための警察検察による見せしめ説、プロ野球選手の貸し倒れ回収脅迫関係説とかいろいろあって楽しい。さすがに一斗缶死体遺棄事件とは関係ないだろうが、事件としてはこれが一番キャッチーだったのでなんだか残念だ。

まあ、権力者が突然失脚して逼塞させられるのは歴史上珍しいことじゃない。醜聞まみれの記者会見をメディアが美談にすり替えるのはちょっと珍しいかもしれないが。
むしろ、会見で涙を拭ってみせた紳助は、失われんとする地位や権勢に恋々としたところがなく、かえってさっぱりとした風情だったのが印象的だ。引退は、詰め腹ではなく、本人が希望したことだったのかも、と思わせる。

紳助は、自分の才能才覚を信じていただろうが、ここまで力を持ち、ここまで頼られるようになるとは思っていなかったのではないか。視聴率男と呼ばれる一方で、こんな俺を万人が好んで見るわけない、と思っていたのではないか。そういう不安を常に持っていた人ではないか。

彼は店を拡げすぎたのだと思う。自分でも制御できないくらい。6つの番組と4社のCMというが、実態はもっと大きくて、彼の存在で稼いでる人、飯を食ってる人が何百人にも及んでるんだと思う。女性マネジャー殴打事件で謹慎した時、自分の不用意な行為が周囲にどれだけ迷惑をかけ、それがどれだけ自分に返ってくるか、身を以て知ったのではないか。だから今回の引退の原因となった疑惑と、引退せずに済ませた場合のリスクを冷静に比べることができたのでは、なんて想像する。
彼が関係した番組が打ち切りになり、スポンサー企業や彼が宣伝していた企業から賠償を求められる、それでも引退したほうがいい、と判断したのだ。ろう。

彼は表の世界だけではなく、裏の世界とも繋がっている。突然の引退で裏の人々が得るはずだった儲けが失われた。彼はそれを贖うことができるか。贖えると判断したのだろうが、計算通りにいくか。

最近不思議なのは、大スターや大金持ちの人々は、思ったほど余裕もなくけっこうギリギリの綱渡りをしていることが多い、ということだ。一定以上の大金は安全や安心の素ではなく不安や心配の素になってしまう。マイケル・ジャクソンが借金まみれだったとか、某野球スターが芦屋の豪邸を入居する前に手放さざるを得なかったとか、ほんとに不思議だ。

紳助という人は、周りに人が集まる人だった、景気の良い人だった、と思う。僕は彼のこと嫌いだったけど。でも彼が景気を牽引して来たことは誰もが認めなきゃいけない事実だ。たとえ虚像でも景気のエンジンとなれる人は稀有だからだ。
また一つ、景気が悪くなった、と思う。

1分間で読めるエントリにしようと思って書き始めたけど、失敗しました。残念。