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新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

ネット世論と新聞・テレビ世論の断絶

 民主党代表選、小沢一郎は選出されなかった。残念だ。議会との力関係がねじれたまま菅直人政権が続き、景気対策も雇用対策も有効な手は打てず、このまま日本は沈んでいくんじゃなかろうかなんて気になる。円ドル為替はぐぐっと円が高騰してるし。
 といっても、もし小沢が代表になったとしても円は高騰したんじゃなかろうかという気はする。「菅は市場介入に消極的」という以上に小沢首相誕生となると「首相がコロコロ替わることへの失望」「日米関係険悪化への嫌悪」「バラマキによる財政悪化懸念」などのネガティブ要因で円が買われる……と予想できたりして。
 なんで? なんで日本にとって悪い材料が見えると円が買われるの? 日本の将来が暗いと円が買われるってなんでよ。自分で言ってて意味がわからん。もしかして平均株価と円相場の間にへんてこなリンクがあって、「株価は上がらないだろう」→「だったら円高になるだろうから円を買え」ってことでしょうか。どっちが先なのか僕にはわからない議論なんでちょっと考えるのは止めます。


ネット世論は敗れた?
 この代表選ですごかったのは、マスメディアの小沢バッシングとネット世論の小沢支持、その正反対の有り様だった。ネット世論が9割以上小沢支持、なんて感じで推移してたのと反対に、新聞・テレビは「小沢は政治とカネの問題があるからダメ」と終始主張し続け、自社の世論調査をもとに「本当の世論は菅支持」と表明し続けた。
 ネットはもうあちこちが親小沢だったのは代表選の瞬間Twitterを見ているとどこのタイムラインでも小沢が敗れて「がっかり」「絶望」「日本オワタ」というtweetばかりで「菅でよかった」「これがほんとの世論」というtweetは僕には見つけられなかった、それくらいネット人民は小沢が好きだった。もちろん僕も小沢一郎の主張や戦いぶり、悪人ヅラ、クラウンの涙のように見えるホクロまで含めて大好きだったんだけど。ジョーカーは勝てないのかね、やっぱり。って。
 ネットの中には「代表選では不正が行われていた」と主張する向きもある。ちょっと検索しただけで↓のような記事が出てくる。ネットだから親小沢目線なのが多いけど、産経ニュースが「小沢側は(も?)不正やってる」って言ってるのがちょっと面白い。

民主党代表選:不正選挙に警戒を!既に不正の兆候が見え始めています。:richardkoshimizu's blog

【民主党代表選】小沢派議員に不正疑惑 サポーター票回収か:産経ニュース

代表選党員サポーター票不正集計疑惑の核心: 植草一秀の『知られざる真実』

本音言いまっせー

釣魚台問題はアメリカの差金:ネットゲリラ

 こうした不正説が事実なのかどうかわからないし、新聞・テレビの断固とした小沢叩きと「菅優勢」のアナウンス効果がどれほど実効性があったのかも僕にはわからない。唯一言えるのは9割以上という華々しいネットの小沢支持率がリアルな代表選では実効性を持たなかったということ。ネット世論はリアルな選挙民(今回は党員党友に限定された選挙なのでリアル選挙民ではないけれど)と乖離している、ということが明らかになってしまった。これは…言いたかないけど言っちゃってもしょうがないよね? で、これって何なんだろう?


■現実はネットの逆を行くの?
 新聞・テレビの世論調査だけど、アナウンス効果が無視できるほど小さかったのだとすると、悔しいけど「新聞・テレビが調べた世論はネット世論よりずっと大勢の実態に近かった」ということになる。
 僕は「ネット」と言う場合、ブログやTwitterのような個人ベースのメディアを指している。ネットの小沢支持率とは、こういう個人が対象で、かつ「ネットの世論調査を積極的にクリックしてみる人」は圧倒的に小沢支持だった、ということなんだろう。だけどそれは大勢を動かす力はなかった、と。
 悔しいなあ。現状を壊して変化を起こす力は小沢さんの方が強いと思ったから、その期待があったから、なおさら悔しく感じる。
 ネット世論とは、誰もが発言できるわけだから、ネットのアンケートをクリックして支持表明するだけじゃなくて自分のブログやTwitterアカウントで支持発言もする。すると、実数以上に小沢支持の波が起きているように見えたのか…もしれない。
 ネット世論って、ムダだったのか? それとも何か意味があったのか?
 ちょっと考えたんだけど、もしかしてこういう「ある集団の意見が大勢から乖離すること」は昔からあったのかもしれない、けどこんだけ顕在化したのは今回が初。ということなのか。
 ブログやTwitterはかつて新聞雑誌が担っていた論壇機能をかなり代替してしまった。かつての新聞雑誌と違うのは、発言する人と読者とがかなり近い、というかほとんど重なっている点だ。そして旧メディアでは論壇の横断的なアンケートとかは実行できなかった。ネット世論のような「論壇世論」なんてのはあったとしても見ることはできなかった。
 僕が子どもの頃は朝日新聞とかに登場する進歩的知識人はみーんな社会党とか共産党支持、というか反自民党で、進歩的知識人が寄稿するメディアだけ見ているとすぐにも反戦反核社会党政権が生まれなきゃおかしい、くらいの勢いだった。でもそんなことは決して起きなかったわけで。
 ネット世論というのは、もしかして、かつての進歩的知識人のような先鋭的意見を集約したメディアの代替物にすぎないのかもしれない。理が通ってたり先見性があったりするのかもしれないけれど、あくまで少数意見の群落であって全体の趨勢とはちょっと異なる推移をするモノなのかもしれない。
 ネットは先見的だと思う。いや思いたい。いろんな議論が可能だし、議論の過程でそれまで見えなかったものが見えてくるという素晴らしい機能がある。それがいつか実世界にフィードバックされることを期待し続けたい。
 けど、近い未来を冷徹に見通す力には欠けるのかもしれない。何しろ、Twitterのタイムラインていどなら一人か二人の連続書き込みがTLを占拠して、短い時間ならば恣意的なモノでTLを支配してしまうことも可能だし、そこに数人の期待を持った賛同者が追随すれば小さな声もものすごく大きく見えるようになる。先鋭的な考えを研ぎ澄ますには適しているけど、世の趨勢を占うときにはこれは適しているのか。
 例えば「電子出版」というトピックに対して、ネット世論はおおむね電子出版に親和的だけど、それが一般市場で通用するようになるにはモノ言わぬ大衆からの支持が不可欠なわけで、本当に電子出版が離陸できるかどうかはネットを見ているだけではわからない、ということになるのかな、と。
 いや民主党代表選という一トピックを以てすべてのトピックに当てはめるのは乱暴だなと思うのでもうやめるけど、とりあえずネットの小沢支持はキャズムを超えられなかった、とは言えるのかなと。
 なんだか無力感に囚われながら、秋風を感じる日なのだった。


※しばらく外出するので2週間ばかりブログを更新しません。3G網がなくWi-Fiも来てないかもしれない場所に行くのでちょっと寂しいですが。
 
この機会にこういう本読んでおくべきなのかな。