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新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

テレビ東京「白旗の少女」…沖縄はもしかしてパレスチナかも

 テレビのスイッチを入れたら偶然、ドラマ「白旗の少女」をやっていた。ドラマはもう終盤で、主人公の幼女・富子は戦乱のなか家族とはぐれ戦場を彷徨っている。そして菅原文太倍賞千恵子がいるガマ(洞窟)に迷い込むのだ。
 菅原演じるおじいは両手両足を失う重傷を負っており、倍賞演じるおばあは目が見えない。そこに、戦場で辛酸をなめつくした幼女が訪れる。幼女は、また追い立てられるのだろう、自分の居場所はないのだろうと怯えている。それを優しくさとし、迎え入れた菅原と倍賞の演技は素晴らしかった。こういうこと書きたくないのだけど、泣けた。号泣Me〜n!
 時は1945年6月25日、すでに一昨日沖縄の日本軍は組織的抵抗を止めた。散発的な抵抗を続けるガマの日本軍や、彼らといっしょにいる避難民に投降を促すアメリカ軍。富子が拾ったチラシを読めるのはおじいだけだ。が、おじいは手足がないので富子にチラシを目の前にもってきてもらわねばならない。このへんのやりとりが泣ける。
 そして、「沖縄のミナサン、出てきてください。洞窟は危険です。もうじき爆弾を投げ込みます」というアメリカ軍によるアナウンス。おじいは、富子に白旗を持たせてガマから送り出すことを決意する。
白旗の少女:テレビ東京

 ちょっとしか見なかったけど、見応えのあるしっかりしたドラマでした。菅原文太はすごいね。俺はイーストウッドじゃなくて文太派。心のヒーローはハリーじゃなくて広野昌三。そして富子を演じた八木優希さんという少女、彼女もすごかった。神懸かり的な演技だった。
 それはさておき、このドラマがもたらす感動のシーンは、なんといっても、洞窟のおじいが富子のために白旗を作るところ。といってもおじいには手足がないので、おじいが言葉で指図すると目の見えないおばあが作ってくれるのです。そしていたいけな幼女に白旗を結びつけた木の枝(けっこう大きい)を持たせると、自分たちは動けないから、と洞窟に残る(これは死を意味する)のです。

 ここで、おじいが「この旗を持っていれば大丈夫。それが約束だから」と知っていたのはなぜか、これは下記の本で論考されているので読んでみてほしい。

 ところでこの白旗の少女は実在していて(ドラマでも黒木瞳が演じているけど)、実在の富子さんが書いた本がドラマの原作になっているそうです。読んでみるべきか。

 沖縄は好きな土地で、年に三度くらい遊びに行きたい。ていうか行ってる(といってもそのうち二度は本島ではないけど)。来週も宮古島に行く予定だ。宮古島は戦闘がなかったと聞いてるけど、それでもやはり戦場だった。サトウキビ畑のすみっこに草に埋もれた洞窟があり、そこが「震洋隊」の基地であったことを示す標柱が立てられている。震洋は爆弾を搭載して体当たりする自殺攻撃ボートである。宮古島も前線だった。
 この震洋は実はフィリピン・台湾から日本本土の海岸線にまで広く配備された兵器だったので、これ一つをもって宮古島も戦場だった、と言うのはちょっと不正確だ。だが何年か前に僕がそれを実際に見たとき、ちょっとショックを受けた。沖縄にはあまねく戦場があった、と思ったから。
 僕は沖縄に遊びに行くたびにリラックスするんだけど、同時に沖縄の景気が悪く、失業率が高く、沖縄の人材が内地の企業の草刈り場にされている印象を受けたりして勝手にへこんだりしている。那覇から北上して沖縄市や嘉手納を通ると、長い長い米軍基地のフェンスの脇を走ることになる。アメリカ軍は占領軍である。ここはイラクと同じく、アメリカ軍に占領された土地である。これはやっぱり異常なことだ。「基地があるから雇用が生まれる。沖縄のためになっている」という話もあるけど、それはやっぱり後出しじゃんけんのようなものだ。誰も好きこのんで占領された土地で暮らしたくはない。
 沖縄は、ぱっと見では何事もなく見えるけれど、やはり今も戦争状態にある。イラクと同じ、パレスチナと同じ。
 ところで今日読んでた本のなかに、四方田犬彦の本の書評があった。

 知ったばかりでまだ読んでないけど、スピルバーグの「ミュンヘン」に辛辣な批評をしていたりと面白そうな本なんだと。タイトルの『バレスチナ・ナウ』は「アポカリプス・ナウ」を思わせる。後者の正しい訳は「黙示録を今!」だと聞いた。ならば前者は「ここがパレスチナだと今認識せよ」と訳しても良いのではないか。沖縄はパレスチナだ。日本はイラクだ。世界はいまあまねく戦争状態にあり、僕たちは不断のサバイバル時代に生きている。
 白旗は終わっていないと思う。誰に向かって振るべきなのか。