新々リストラなう日記 たぬきち最後の日々

初めてお読みの方は、<a href="http://tanu-ki.hatenablog.com/entry/20100329/1269871659">リストラなう・その1</a>からご覧になるとよいかも。

テレビを買ったんだよ

 このアパートに引っ越してからテレビ持ってなかったんだよ。もう5年くらいテレビなしで暮らしていたんだよ。それじゃ困ることもあるので、PCにつないで使うテレビチューナーを使っていたんだけど、こりゃはっきりいって面倒なのでテレビなんて見てなかったんだよ。
 でも、この春から見たい番組が始まるのを知って、しかも東京MXテレビなので今のチューナーじゃ映らないし、どうしよーかなーと悩んでいたんだけど、思い切って買っちゃったんだよ。
 
 世間ではこれはPCモニタに分類されるらしいけど、僕はテレビとしてしか使わないんだよ。
 これで初めて地上波デジタルというのを見たんだけど、あんまり画がきれいなんで驚いたんだよ。テレ東の「いい旅夢気分」とか見たら、料理が美味そうで美味そうで。すごいね。
 でもテレビしばらく見てたら飽きちゃったので、DVDを見てみることにしました。
 DVDプレーヤはもう何年も前に通販で買った、韓国か台湾製のリージョンフリー機。ぼろい。これをS端子でつないでみる。おお、これまで美しいと思っていたDVD映像が、こんなにガタガタだったとは! でもちょっと離れて見ればガタガタも目立たないし、いい感じ。
 僕はこれまでDVD見るときは、部屋を暗くして壁面にプロジェクタを投影して見てた。でもこれは大変なので、最近はあんまりDVD見てなかったんだよね。テレビで見るのは楽だなー。つい徹夜で何本も見てしまいました。買ったまま見てなかったやつとか、大好きなので何度も見てるやつとか。
 
 最初はこれ。このDVDは、プレイステーション2が出たときにいっしょに買った記憶がある、つまり僕が最初に買ったDVDだ。映画の公開からもう10年以上たつんだねー。劇場にも何度も行った。もったいぶった難解なナレーションが流れる、テンポの悪い(眠くなる)映画なので評判が悪いけど、僕は大好きだ。九二式重機関銃や九九式軽機関銃が実際に発砲してる、なかなか貴重な映画でもある。水木しげるの『総員玉砕せよ』とかと併せて鑑賞されることをおすすめします。前線の向こう側もこっち側も、兵隊さんたちはこんなこと考えてた、ということで。
 
 これはつまらんかった。「劇場版1」はもっと面白かったと思うけどなあ。最近日本映画って、ものすごい数が製作されてて、観客動員も上々みたいだけど、実はやばいことになってるんじゃないか? こんな作品には国際的競争力まったくないよ。仲間由紀恵阿部寛は好きな俳優だけど…。
 
 口直しに見たのがこれ。これは僕が高校に上がるときの春休みに劇場で見た、懐かしい映画だ。「特別完全版」じゃないよ、70mmで2時間半のやつ。それから30年も、僕はこの映画が好きなのだった。どの場面も隅々まで圧倒的に作り込まれていて、みっちりとした画になっている。お金かかってんなー、と。今ならCGで済ませちゃうところを、全部本物や大道具で実際に作ってしまっている。大変な物量だ。「シン・レッド・ライン」は10年前とはいえ、もうCG使ってたりするし、「地獄の黙示録」と比べるとおそろしく画がチープだ。プロダクションデザイナーは有名な人で、良い仕事してるけど(機関銃のプロップとか素晴らしいですよ)、それでもガダルカナルの戦いは貧弱な戦場に見える。カネがないのがよくわかる。その点、「地獄の黙示録」が描くベトナムの、物量に溢れた、狂気の戦いは、ほとんどすべての戦争映画と比べても群を抜いている。物語それ自体は、まあ西遊記みたいなもので、あんまり面白くないけど、「特別完全版」にはバニーガールが遭難してるシーンとか、フランス人入植者の狂気じみた議論とかが入ってて、これも楽しい。好きなシーンだけ見るのがいい。画もきれいだった。
 
 長い映画に抵抗がなくなると、もう泥沼のように長い映画を立て続けに見てしまう。中毒みたいなものだ。もっと強いアレをくれ〜て感じ。で、手持ちのソフトの中から選んだ強烈なやつがこれ。正解でした。すごい面白い! 何年も前に買ったとき見たきりだったけど、そのとき以上の感銘を受けた。前に書いた書籍『絶対貧困』にはインドやアフリカのスラム、路上生活のことが書いてあったけど、リオデジャネイロもすごいみたいね。でもこの映画の舞台になってるのは政府が整備した貧民住宅なのだ。路上よりはマシだ。マシだけど、やってることはものすごくてマシじゃない。拳銃やカービン銃で撃ち合うなんて、「仁義なき戦い」でもあんまりやってなかったぞ。ていうか、銃撃と人死にの多寡では「仁義なき」は全然仁義なくなくて、節度ある戦いだと思えるのだった。アナーキーでいいぞ「シティ・オブ・ゴッド」。
 
 昨日最後に見たのはこれ。これはさすがにバカすぎるので買ったもんじゃない。TSUTAYAで借りてきた。ちなみに主人公はこのジャケに映ってる2人のおじさんおばさんではありません。もう一人、若者がいるんです。それがまた主役張るような外見の人じゃなくて、その人がまたアタマ殴られて精神薄弱になってしまう演技とかしてるんですけど、ひどいです。カメラに向かって食べたものを吐き出すシーンとかもあります。アナーキーです。「シティ・オブ・ゴッド」とは別の意味で。でもおばさんのカンフー場面はすごかったです。感動しますた。
 いやー、テレビって、ほんとにいいもんですね。


 ちなみに、このテレビ買う原因になった「見たい番組」ってのはこれです↓
オレの番組って『ガキの使い』の裏じゃん! - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
http://tv.yahoo.co.jp/program/113880/?date=20090405&stime=2300&ch=ae38